9月24~30日は「結核予防週間」です。
厚生労働省は、9月24日から1週間を「結核予防週間」と定め、結核に関する正しい知識を普及する活動をおこなっています。
今回は「結核」を中心に、感染・発病の原因や予防法についてご紹介します。
結核とは?
結核とは、「結核菌」という細菌によって引き起こされる感染症です。
結核は主に肺に炎症が起こりますが、腎臓やリンパ節など全身に影響を及ぼすこともあります。
昭和20年代までは「不治の病」とされていましたが、医療や生活水準の向上により、現在では薬で完治できるようになりました。
それでも、2021年度の結核患者数は11,519人、死亡者数は約1,844人と、今もなお発症数が多いのが現状です。
結核の症状
結核にはせきや痰・血痰などの「呼吸器症状」と、発熱や倦怠感・体重減少などの「全身症状」があります。
結核の初期症状は風邪に似ており、自覚症状がほとんどありません。
そのため、発見される頃にはすでに病状が進行していることが多いのが特徴です。
初期のうちはせきや痰といった軽度な症状ですが、病状が進行するに従い、倦怠感や血痰などの症状が顕著になり、最悪の場合、命に関わる可能性もあります。
結核はどうやって感染・発病するのか
結核は、結核感染者のせきやくしゃみによって、空気中に放出された結核菌を吸い込むことで感染します。
しかし、感染した人すべてが結核を発病するわけではありません。
多くの場合、体の免疫力が結核菌を抑え込むため、一生発病しなかったり、発病しても菌に打ち勝ったりすることがほとんどです。
とはいえ、体力や免疫機能が低下すると、体内で眠っていた結核菌が増殖し、結核が発病する場合があります。
感染後の発病は、一般的に2年以内に起こることが多いとされていますが、数十年後にも発病することがあるとされています(参考:公益財団法人結核予防会)。
そのため、免疫力が低下し始める高齢期に初めて発病する可能性もあるため、注意が必要です。
結核を予防するには?
結核を予防するには、免疫力を下げないこと以外にも、健康診断の受診やワクチン接種などがあります。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
《免疫力を下げない》
結核を予防する上で重要なことは、免疫力を下げないことです。
そのためには、バランスの取れた食事や十分な睡眠・適度な運動など、規則正しい生活を普段から意識する必要があります。
免疫力は結核の予防に限らず、健康を維持する上でも重要なため、日頃から免疫力を下げないよう気を付けましょう。
《定期的に健康診断を受ける》
結核は早期発見と早期治療が重要です。
結核は自覚症状がなく、気付いた頃には重症化していることも。
手遅れにならないためにも、定期的に健康診断を受診しましょう。
《BCGワクチンを接種する》
BCGワクチンとは、結核を予防するワクチンのことです。
厚生労働省によると、乳幼児期にBCGワクチンを接種することで、結核の発症を52~74%程度予防でき、その効果は10~15年続くとされています。
乳幼児は抵抗力が弱く、重症化しやすい傾向があるため、生後1歳までにBCGワクチンを接種するようにしましょう。
まとめ
今回は「結核」を中心に、感染・発病の原因や予防法についてご紹介しました。
結核は今でこそ薬で完治できるようになりましたが、現在も発症数が多いのが現状です。
しかし、結核は感染したとしても免疫力があれば発病することはありません。
普段からバランスのよい食事や睡眠時間などに気を付け、規則正しい生活を意識するようにしましょう。