こんにちは。高橋医院 受付の岡本です。
11月17日は「肺がん撲滅デー」です。
禁煙の先進国であるアメリカでは11月第3週が「たばこ警告週間」となっていることから、2000年(平成12年)9月に東京で開催された国際肺癌学会で制定されました。
がんの中で最も死亡率が高い「肺がん」は、早期発見や予防が必要です。
「肺がん撲滅デー」にちなんで今回は、肺がんについて学びましょう。
【日本における肺がんの罹患人数は?死亡順位は高い?】
2022年における肺がん罹患人数の予測は、128,800人です。
内訳は男性が86,300人で女性は42,500人と、男性は女性の約2倍。
死亡順位は男性では第1位、女性では大腸がんに続いて第2位と、肺がんの死亡率はほかのがんと比べて高くなっています。
(参考:国立研究開発法人国立ガン研究センター「がん統計予測」より)
【肺がんとは】
肺の気管や気管支、肺胞の一部の細胞が何らかの原因によってがん化することで起こるのが「肺がん」です。
肺がんは、進行の速い「小細胞がん」、肺の奥にできやすい「腺がん」、肺の入り口付近の太い気管支にできやすい「扁平上皮がん」、肺の奥にできやすく比較的進行の速い「大細胞がん」の4つに分類されます。
小細胞がん以外の3つのがんは「非小細胞がん」と呼ばれます。
「小細胞がん」と「非小細胞がん」では、病期の進行度や治療方針も異なります。
肺には痛覚神経がなく早期のうちは症状がないことが多いため、早期発見が難しいがんです。
がん細胞がかなり大きくなると、痰に血が混じる、胸に水がたまって息苦しくなるなどの症状がみられます。
《肺がんの種類:大きく2つに分けて説明します。》
<小細胞がん(小細胞がん)>
◎ 増殖のスピードが早く発見時にはほかの臓器へすでに転移している場合が多い
◎ 悪性度の高いがんですが抗がん剤や放射線がよく効く
<非小細胞肺がん(腺がん・扁平上皮がん・大細胞がん)>
◎ 増殖スピードは比較的遅く抗がん剤や放射線が効きにくい傾向にある
◎ 早期に発見できれば手術で完全に取り除けるため、完治も可能
【肺がんの原因】
いずれのがんでも発生要因のひとつに喫煙があります。
扁平上皮がんや小細胞がんは「喫煙」との関連が大きいがんですが、喫煙をしていない人でも肺がんになることもあります。
そのほか「有害化学物質」や「大気汚染」などによる環境因子が関係したり、最近では「女性ホルモン」の影響も報告されています。
【肺がん検診について】
全国の自治体の肺がん検診は40歳以上の人を対象に、年に1回、地域の保健所や措定された医療機関で受けることができます。
肺がん検診は「胸部エックス線検査」です。
エックス線を照射し正面と側面から胸部を見て、がん細胞がないかを確認します。
一番簡単に受けられる肺がんの検査であり、健康診断の検査で肺がんが見つかったケースも少なくありません。
がん細胞が心臓の後ろや骨の近くにあるとエックス線検査では見えづらく、がん細胞が2~3cm以上の大きさでなければ診断が困難です。
異常所見がある場合はCTやMRI、腫瘍マーカーなどのより詳しい検査を行います。
◆【まとめ】
肺がんは症状が出にくく早期発見が難しい病気ですが、胸部エックス線検査で比較的見つけやすい病気です。
早期に発見できれば、がん細胞が小さい段階で治療を始められ、完治も見込めます。定期的に健康診断を受けて、肺がんの早期発見につなげましょう。