こんにちは
10月の第3土曜日は「中性脂肪の日」です。
一般社団法人中性脂肪学会によって制定され、中性脂肪の啓発活動のため学術集会や市民公開講座などが開催されます。
健康診断でよく目にする「中性脂肪」は、体のエネルギー源となる重要な栄養素ですが、高すぎても低すぎても体に不調をきたします。
今回は、記念日にちなんで「中性脂肪」について解説したいと思います。

中性脂肪とは

血液中に含まれる脂質には、主なものに中性脂肪とコレステロールがあります。
中性脂肪は体内に最も多くみられる脂肪で、糖質とともに体の機能を維持するエネルギー源の一つです。
食事から脂質を摂取すると、小腸や肝臓で中性脂肪に合成され全身を巡ります。
エネルギー消費されなかった中性脂肪は、皮下脂肪になり体温を調節したり、内臓脂肪として内臓を正常な位置で保護したりします。
一方、コレステロールは細胞膜の構成成分、副腎皮質ホルモンや消化・吸収を助ける胆汁酸などの材料になります。

中性脂肪の基準値

血液中にある中性脂肪の基準値は空腹時で30~149mg/dlです。
血液中の中性脂肪が150mg/dl以上になると「脂質異常症(高トリグリセライド)」と診断されます。
逆に中性脂肪が低く、29mg/dl以下の場合も異常値と判断されます。

中性脂肪が高いと体になにが起こる?

中性脂肪が血液中で増えすぎるとエネルギーとして消費されず、皮下脂肪や内臓脂肪となって蓄積されるため肥満になる可能性が高いです。
また、糖尿病などの生活習慣病や心筋梗塞を発症するリスクになったりします。

《中性脂肪が低くても良くない?》

中性脂肪の値が低すぎると疲れやすくなったり、体温の維持が難しくなったりします。
その結果、低体温や手足が冷えやすいといった症状が現れます。
中性脂肪を減らそうとして過度な食事制限をすると、エネルギー不足になって体に不調をきたすため注意が必要です。
また中性脂肪が低い原因には過度な運動や疾患、体質や遺伝などの場合があります。

中性脂肪を減らすには

《食事内容を見直す》

まず中性脂肪が増えやすい糖質・脂質が多い食べ物の摂取を減らします。
白米の代わりに玄米を食べたり、バターの代わりにオリーブオイルなどの植物油を使ったりすると良いでしょう。
また食物繊維にはコレステロールを体から排出する役割があります。
ごぼうやホウレンソウ、アボカドやバナナなどの野菜や果物には食物繊維が豊富に含まれているため積極的に摂取しましょう。
アルコールの摂取量にも注意が必要です。
1日の飲酒量は日本酒であれば1合、ビールであれば大瓶1本程度を目安とし、週に1日か2日は休肝日をつくりましょう。

《1日の歩数を増やす》

1日7,500歩以上歩くと、中性脂肪が下がると言われています。
通勤時に一駅歩いたり、エスカレーターやエレベーターの代わりに階段を利用したりするなど、歩く時間を増やしましょう。

まとめ

中性脂肪は高すぎても低すぎても体の不調を引き起こします。
特に近年は食生活が変化し、中性脂肪を摂りすぎて生活習慣病になる人も多いです。
当院では「生活習慣病検査」や食事指導を行なっています。
「生活習慣病検査」には中性脂肪の数値がわかる「脂質検査」が含まれています。
中性脂肪の値が高かったときは一緒に食生活を見直し、健康的な生活習慣に取り組みましょう。