こんにちは。
高橋医院、受付の岡本です。

5月23日は、5と23で「骨密度=こ(5)つ(2)み(3)つど」と読む語呂合わせから「骨密度ケアの日」。
骨の健康の中でも意識されにくい「骨密度の重要性」を意識してもらうことを目的として制定されました。
そこで今回は「骨密度と骨粗しょう症」についてお話ししたいと思います。

骨密度は年齢によって変化する

骨密度は男女とも幼少期から増え続け、20歳ごろに最大となります。以降の骨密度は40歳半ばまでほぼ横ばいとなり、50歳近くからは減少します。
特に女性は男性と比べて骨密度が急激に減少します。これは主な原因が、閉経と加齢であるためです。
また、他の疾患や治療で使用するステロイド薬などの影響も指摘されています。

骨密度の低下によって起こる「骨粗しょう症」

骨粗しょう症は、骨密度や骨の質の低下により骨折のリスクが高まる病気です。骨粗しょう症に気付かずに病状が進行すると、軽い転倒程度でも寝たきりになってしまうほどの骨折をする可能性が高くなります。
高齢化が進む日本では、骨折・転倒などは要介護の大きな原因となり、太もものつけ根を骨折する場合では歩けなくなるため、注意が必要です。

自覚症状がないまま進行する

骨密度の低下だけでは自覚症状がないため、骨折してから気付くことも多くみられます。
骨粗しょう症で骨折しやすいのは、次の部位です。

  • 背骨
  • 手首
  • 足のつけ根

特に背骨の骨折は、短い筒状の背骨がつぶれることによって起こり、折れた自覚のないことが特徴で、次々とつぶれるように骨折していきます。
若い頃に比べて身長が3センチ以上縮んでいたら、背骨の骨折を疑ってみましょう。

骨粗しょう症の検査

自覚症状のない骨粗しょう症だからこそ、定期的な「骨密度検査」で確認が必要です。
骨密度は、骨粗しょう症を判定するための指標です。若い人の骨密度の平均値と比較して自分の骨密度が何%であるかで表されます。

検査は、X線や超音波を用いる3種類の方法があります。
X線を用いるDXA(デキサ)法とMD(エムディ)法、超音波を用いる定量的超音波測定法(QUS法)などです。
多くの自治体で40歳以上の女性を対象に5歳刻みで骨密度の節目検診を実施しています。詳しくはお住まいの自治体のホームページや保健所などで確認をしてみてください。

骨粗しょう症の治療

骨粗しょう症の治療には、骨の働きを改善するお薬が主に使用され、定期的な骨密度検査などで効果の確認をしながら行います。骨粗しょう症の治療は継続が大切。しっかりと骨の新陳代謝を改善し、骨密度を増やしましょう。

また、骨を丈夫に保つためには食事や運動といった毎日の生活も大切です。カルシウムとたんぱく質を積極的に摂り、ビタミンD(きのこ類や魚貝類ほか)はカルシウムの吸収をしやすくするため、一緒に摂るようにしましょう。ビタミンDは、日光にあたることによって体内でも合成されます。
さらに骨は動かずにいると劣化するため、ご自身に合った適度な運動も必要です。

まとめ

当院では、加齢による骨粗しょう症が原因の骨折で寝たきりとなる「ロコモティブ症候群」の予防と治療に取り組んでいます。
骨粗しょう症の検査は骨密度測定器で診断を行い、飲み薬・注射・点滴により継続的な治療を実施しています。
まずは、お気軽にお問い合わせください。